「プラテーロとわたし」は、ノーベル文学賞を受賞したスペインの詩人ファン・ラモン・ヒメネスが書いた散文詩集。ロバのプラテーロと詩人の織りなすノスタルジックな世界を、銅版画家の山本容子氏があたたかいオレンジ色で表現。
「京都御苑の花」は、世界のアンノといわれる安野光雅氏が京都御苑に静かに咲く草花の美を描いたもの。
「木は美しい、何もしなくても美しい。それは、自然の理にかなっているからで、わたしたちは、その自然から<美しさ>というものを教わってきたのである。」
同時展示での開催をお愉しみください。
副館長 伴とし子
『京都御苑の花』について
安野光雅先生は、42歳の時、絵本『ふしぎなえ』で世界デビューされて以来、「世界のアンノ」「世界を旅した風景画家」といわれています。淡い色調の優しい雰囲気の漂う水彩画を数多く残されました。
安野光雅先生は、先の天皇皇后両陛下(今の上皇上皇后両陛下)の御本を装丁されたご縁から、両陛下がお住まいの御所の庭を写生する機会に恵まれ、四季折々の草花を題材に130点の水彩画を描かれました。それは、2013年(平成25年)に『御所の花』という画集で出版されました。
そして、2019年(平成31年・令和元年)の平成から令和への御代替わりの年に、一年間、京都御所にある京都御苑に咲く草花を描かれました。
京都御苑には、約700種類もの植物があります。「田んぼや里山の自然な植生のままにまかせる」というお考えで育てられてきました花々を、安野光雅先生が93歳の時に創作された絵26点を公開させていただきます。
京都御苑に静かに咲く草花、その美しさを永遠にとどめた水彩画をお愉しみください。
森の中の家 安野光雅館